経年を生かすキッチン改修(吹田市 リフォーム)

こんばんは。アイシンク建築設計事務所の池田です。

稲刈りは無事に終えたものの、、、
稲木を台風にふっ飛ばされ、鳥さんが毎日少しずつ食べるので脱穀を急ぐも
タイミング悪く雨が降り、、、未だに脱穀出来ず(汗と涙)

ヤフオクで買った50歳近くのハーベスタの機嫌が良いうちに終わらせたい。。。

さてさて、先週は吹田市のマンションにて3日間ほどキッチンの改修リフォームに入らせてもらいました。
春先にご相談頂き、マンションの大規模修繕が終わるのを待って、秋頃からお打ち合わせをぼちぼちと、、、
っという予定でしたが、その前にレンジフードのON/OFFスイッチが効かなくなるというトラブルが発生。

スイッチの修理に結構な金額が掛かってしまうようで、それであれば改修内容を急いで詰めて、その他の
改修も一緒にやる事になりました。

ちなみに、この改修のコンセプトというか、住まい手さんと意気投合したのが、”一新”ではなく”更新”。

当初は「キッチンのリフォームを検討してて」というご相談でしたが、キッチンを見させてもらい最初に
感じたのが、「すごくすごく丁寧に大事にきれいに使われているな」という事。

天板の人造大理石にはこれまでの記憶が刻まれているように思え、壁の100×200の白いつや消しのタイルは
本当に愛らしく、黒のハンドルも少し変わったデザインで見れば見るほど、これをやり直すのはモッタイナイ!

と思い、今回の改修では、
●古くなった設備機器(今回は水栓とレンジフード)の交換
●キッチンの扉面材のやり変え(つや消しのタイルに合うような無垢素材のもの)
●ダイニングにはみ出している食器類の収納場所の確保(ダイニングを広くすっきりと)
この3つのポイントを大事にしてお打ち合わせを進めました。

キッチンの突板面材はマットな白タイルとの相性が良さげなナラやタモ、チェリーをご提案。
前回の造作キッチンと同じく、こちらでもチェリー材(柾目)をチョイス。やはり人気ですね。

それに合わせてキッチンに新設する壁面収納もチェリー材(柾目)となりました。

壁面収納のボリュームは、既存のキッチン収納と食器棚の収納量を把握しつつ、住まい手さんの意向
をお聞きして設計を進めていきました。

今回はリノベーションの一環としてではなく、壁面収納のみの造作となりますので、図面作成や現調も
また違った難しさがありました。

一日目はレンジフードの取替。
現状のレンジフードを測ると70cm幅。
現在の規格は、60cm・75cm・90cmの3つがほとんどですので、
何かしらの対策が必要となります。

今回は既存の吊り収納を一つ外せば、ちょうど90cmを確保出来たので、
よく使っている富士工業のレンジフードの90cmタイプへ取替しました。

下地のコンパネも既存を使い回せたので、スムーズに取り替えを終えて、
一日目は少し早仕舞いとなりました。

二日目はトイレの取替。
便器の据え付け面が既存便器よりも小さくなるので、床のCFも同時に張替えを行いました。

水道屋さんが便器を脱着し、すぐさまクロス屋さんが既存CF・巾木をめくり、下地調整後にボンド塗布。
オープンタイムの経過を待って、新しいCF張り。

無垢材を用いる事が多いので、色・柄・機能性などなど選択肢の多いCFを選ぶのは本当に難しい(汗)
巾木もたくさんの種類が用意されているので、これまた難しい(汗)

トイレは住まい手さん選定のリクシルのリフォレ。
タンク部分が収納棚と一体化する製品なので、仕上がった様子に「確かにすっきり」とうなずきました。

CF張りの間に水道屋さんはキッチン水栓の取替を実施。
水漏れ等は確認されませんでしたが、マンション新築当時の水栓でレバーを下に下げると給水されるタイプ。
TOTOのゾウさんのように見えるシングルレバー水栓(実家のそうでした)がこれまた愛おしくて愛おしくて(笑)

最近はシュッとしたデザインの設備が多いですが、こうした可愛さ溢れる設備機器も残っていて欲しいなと思います。

キッチン水栓取替後は、トイレに戻って便器取り替えを再開。
排水配管の勾配や経路だけではなく、収納本体と電源や給水との納まりも確認して進めていくので、通常のトイレ取替
よりも手間が多そうな印象です。

私は午後から用事があったので、色柄等がお打ち合わせ通りになっているかを確認して、あとは大工さん水道屋さんに
任せて次の現場へ。

夕方、大工さんから無事に設置出来たと連絡があり、設備機器取替の二日間が無事に終了。

そしてそして、3日目はiei studioさんによるキッチン扉取替と壁面収納の造作。
工程としてはシンプルですが、作業量としてはこの日が一番多いのドキドキハラハラ。

扉の取替はサクサクっと進み、壁面収納もフィラーを設けていた吊り収納はスムーズに
設置出来ていましたが、逃げの無いカウンター(無垢のチェリー材天板)部で四苦八苦。

既存の両側の壁が微妙にバチっており(中央が凸っていた)、
凸部に合わせると隙間が出来る・・・でも、凸部合わせないと入らない・・・と悩む家具屋さん。

とはいえ、差し込めないとカウンター部が設置出来ないので、3-5mmほどカットしてもらい、
壁との隙間は後日に5mm角の材で見切るという事にしました。

カウンターに上には電子レンジやオーブントースター、ポットなどが配置され、既存壁との隙間は
目立つことは無いのでで、当初から施工性を優先して壁とのクリアランスを指示出来ていたらなと反省。

カウンター部が据えられてからは早い早い。
引出し(ハーフェレ金物)入れて、ハンドル取り付けて、吊り収納に棚板入れて、無事完成。

これまでの形跡や雰囲気を残しつつ、少し新しく更新されました。
住まい手さんとのお打合せで感じた事がうまく出来たかなと思っています。どうでしょうか。

柔らかな印象になるように、ところどころにR加工を施してもらいました。

これからまたキッチンと同様、住まい手さんにたっぷりと可愛がってもらえますように!
無垢材の経年による変化やキズとか水シミ等の使用による変化も焦らずに、堪能して欲しいなと思います。

これまでのキッチンのように住まい手さんに馴染んでいきますように。

ではでは、この度はありがとうございました!お打ち合わせに工事にとても楽しく進めさせて頂きました!