二段ベッドが肝ですねん(子供スペース リノベーション)

こんにちは。
アイシンク建築設計事務所の池田です。

風が吹くとじっとしていられないくらに寒くなってきましたが、
それでもお日さまにあたっているとポカポカと気持ちが良いです。

さあ、年の瀬が迫ってきておりますが、ここの2週間ほど大工さんと根を詰めて
ある計画の肝となる二段ベッドを製作しています。

二段ベッド用の金物は結構お高めですので、今回は建築の構造用金物(金物工法と呼ばれます)
を使って二段ベッドを組み立てていく計画で、その加工を大工さんと二人でアーデモナイコーデモナイ
と言いながら、進めていました。

ちなみに、通常の住宅の建て方などでは、金物が取り付く部分の加工はプレカット工場にて
加工される現場に届くわけで、それが当たり前になってしまっていたのか、「二段ベッドくらい
だったら手加工でもいけるかな~」と簡単に考えてしまい、もうそれはそれは大変な目に(笑)

決まった位置を直角に切る、決まった位置に垂直に穴をあける、特に後者が難しい難しい(汗)
いろいろと頭悩ませたり冷や汗かいたりしましたが、先日なんとか無事に納品出来ましたので、
その様子みてやってください。

まずは計画から少しご説明。

施主さんからのご要望としては、、、

●大きなLDKの一角を二人の子どものスペースとして、区切りたい
●プライバシー(視線)にもある程度配慮したい
●”机”・”収納棚”・”就寝スペース”の機能を確保したい
●それぞれのスペースに直接出入り出来るように
●出来るだけ均等の広さになるようにしたい
●子どもの独立後は撤去できるようにしたい

特に、”プライバシー(視線)にもある程度配慮したい”という要望は同性であれば、
少しフランクに考えられそうでしたが、今回は異性ですので、出来るかぎりプライバシー
(視線)に配慮した計画をする必要がありました。

また、独立後の撤去を考慮すると、固定の間仕切り壁などでの区分けではなく、造作家具を
配置した空間の区分けがベターだなと判断しました。

机と収納棚はシナランバーコア材を用いて箱家具を大工さんにつくってもらい、机や収納の要素を
付け加えていきました。頭を悩ませたのは就寝スペースで単純に考えて1m×2m(ベッドサイズ)
を2つ配置するのは難しい。加えて、就寝スペースのプライバシー(視線)をどう考慮するか、、、

いろいろと頭悩ませましたが、以前に別のマンションリノベーション案件で提案した事のあった
”二段ベッド間仕切り”が頭に浮かび、この計画仕様に考え直す、、、とうまく納まるじゃあないですか!

ついでに、細かな部分の納まりもやり直して、施主さんにご提案したところ”OK”を頂き、製作開始となりました。

ただ、以前の計画はマンションリノベーションの工事の一部でしたので、工期や段取りをシビアに考えていません
でしたが、今回は部分リフォームで施主さんのお休みなどを考慮すると、工期は2日。

しかもしかも、マンションリフォームの大変なのが多くのマンションでは規約で作業時間が午前9時~午後5時と
定められており、その時間内に材料や道具の搬出入に加え、片付けや掃除を終えなければいけないのこの計画の悩みどころ。

また、加工する場所も現地にはありませんので、現場加工を最小限に抑えた段取りを組む必要があり、冒頭の金物を用いた
工法で製作する事になりました。また、二段ベッドの軸組間には間仕切りとしての杉板を落とし込む計画としていますが、
その溝じゃくり加工も事前に行っておく事で、現場での作業性を向上させました。

苦労したからか、説明が長くなってしまいましたが、、、ま、無事に仕上がっていますので、画像みてください(笑)

子どもスペース2は梯子を登ってベッドの上段を利用。
このお住いは天井が斜めに登っている勾配天井ですので、上段でも窮屈さは感じられない
就寝スペースとして仕上がっています。

左側にあるのがシナランバー材で製作した収納棚。とってもシンプルなつくりです。

ベッド上段から見下ろすとこのような視線に。
四方の手すり壁を60cmほど立ち上げているので、ほど良い囲まれ感もあって、落ち着ける
就寝空間になりそうです。

また、ベッドから外壁面に鴨居(横木)を新たに設けて、ここにカーテンやロールスクリーン
を設置する事でLDKとの区分けを行うようになっています。

収納棚の横には机機能を持たせた箱家具を配置しています。

配置に加え、建材の歩留まりなどを考慮しつつ、使いやすい高さや奥行きを意識して
天板や上部収納の寸法を決めています。また、市販の子ども机ほどの強度は無理として
も、子どもが使う物ですので出来る限り丈夫に強固になるように大工さんと相談して
製作をしました。

LDK側から見た様子です。
結構なボリュームのある家具でしたので、”据えられたあとにどう感じるかなぁ、、、”
と少し心配していましたが、わたし的には違和感なし。で胸を撫で下ろしました。

ちなみに、ベッド下は20cmほどの空間があるので、ここも引き出し収納として用いる
ことが出来ます。

こちらが子どもスペース1側の様子です。
机や収納棚は子どもスペース2と全く同じ寸法で製作しています。

こちらはベッドの下段を利用しますので、左に開口から入り込んでいく感じ。
勾配天井で上段の高さを調整出来たので、下段の有効高さもしっかりと確保する
事が出来たので、身長185cmのわたしでも簡単に入り込んでいけるくらいです。

もう少し開放的にしたい、というご希望あれば、杉壁板に開口設けたり、
という対応も出来るかなと思いますが、わたしはこれくらい閉じている方が落ち着く(笑)

想像以上の仕上がりとなり、施主さんも喜んでくれていたので、段取りで反省するところが
たくさんありますが、、、、ま、良い経験だったという事で(笑)

さあ、年末年始の図画工作(自邸の)段取りしよっと!!