建て方、無事完了(古民家 能勢町)

こんばんは。。。
猪名川町のアイシンク建築設計事務所の池田です。。。

先に申し上げると、、、能勢町吉野の構造補強(建て方)工事は
無事に終える事が出来ました・・・。つ、つかれたぁ・・・。

大工さんはもっと動いているはずなのに、最後までテキパキした動きの
ままで、最後まで大工さんたちの技術と体力に驚かされる一日でした。

午前八時前に現場に到着し、道具をばーーーっと出し、その勢いのままで作業開始。
加羽大工は土台を据える為、アンカーボルト位置を拾い、ドリルで穴加工の段取り。
もう一人の大工のツジさんは私が昨日撤去した下屋の柱差し替えを進めていきます。

その間に助っ人のうーちゃん(張り屋・TART)が基礎パッキンを設置。
出隅やアンカーボルト干渉部はカットして、隙間の出来ないように丁寧に作業してくれていました。

既存の構造対も念の為、金物で補強しています。
用意していたカスガイやコーナー金物・プレート金物の取り付けをしてもらいました。

基礎パッキンや既存構造への金物取付をしている間に、土台の設置が完了。
新築であればこの土台の上に柱を立てていくわけですが、今回は小屋組みや屋根を残したままの
改修工事になるので、”上から差し込む”という作業が出来ないので、土台⇒桁・梁⇒柱という流れ
で組み上げていく計画になっています。

工場で刻んできた桁の継ぎ手に楔を打ち込み、組み上げる準備は完了。
出隅の柱のみ先行して立てて、タチ(垂直)を確認しながら、柱と桁・梁を組み上げていきますが、
北西面の柱が想像以上にコケて(傾いて)おり、その調整に四苦八苦している様子でした。

そうこうしているうちにお昼に。
どこかでホカ弁でも買って、、、と思いましたが、最寄りのお弁当屋さんまで片道30分。。。
ダメ元で同じく能勢町のカフェ氣遊さんにチキンカレーのテイクアウトが出来るか聞いてみたところ、
快諾して頂き、無事においしいおいしいチキンカレーをみんなで頂く事が出来ました。

カフェ氣遊さん、ありがとうございました!!

午後からはもうひとり助っ人大工のヤマダさんが来てくれて、既存の小梁の入れ替えを担当。
ピン工法のあと施工金物を段取りしていたのですが、既存の桁が微妙にひねっていたようで、
苦労されているようでしたが、日が落ちる前に無事に新たな小梁が2つ掛けられました。

外回りは新たな構造対が組み上がり、既存の構造体とボルトやコーチスクリューで結ぶ為の
穴を加羽大工がドリルで穿孔していき、うーちゃんがスプリング座金やボルトを通して締め付けて
いってくれます。

うーちゃんの本職は椅子やソファの張り屋さんなんですが、本当に手際良く作業を進めていく
ので、わたしは、、、監督らしく??テキパキと動くみんなを見守るのでした。。。

テキパキとしていても日は暮れていき、、、気づけば真っ暗(汗)
投光器だけじゃなく、軽トラのライトを点けて、作業は続行。

新たな構造体と既存の構造体がボルトで緊結され、最後は新たな構造体でも垂木を受けて
おけるように垂木掛けを取り付け。昔の建物なので、垂木がひねっていたり反っていたりと
一筋縄ではいかず、終わりが見えるようで終われない苦しい時間が続きました。

午後9時過ぎに予定していた全ての作業が完了!
お施主さんが記念に!と集合写真撮ってくれました。が、もうめちゃ疲れていて、ここらへん
の記憶があまり無い(笑)加羽大工だけが満面の笑み、、、ほんまタフすぎる、、、

少し残工事があったのと暗くてお掃除・お片付けが出来ているか不安だったので、翌日も現場へ。

束石のモルタルを充填し直して、残工事完了。お掃除・お片付けも問題ありませんでしたが、暗かった
ので忘れ物がちらほら。

最後に遠目から写真撮影。工事中に思ったのが、”改修”とか”補強”という言葉よりも、しっくりと
きた言葉が”介護”。抜本的な治療(改修)ではなく、年を取った建物が出来るだけ自立していられ
るようにする。そんな工事だったかと思います。

建物の寿命の最後までこの場所がまた生かされていくと良いなぁ。
ここからはお施主さんが自主施工で診療所や保育ルームを作られていくとの事です。

完成を楽しみにしてまた訪れたいなと思います。