構造材の刻み(能勢町 改修)

こんばんは。アイシンク建築設計事務所の池田です。

2021年から取り組んでいる”施工”の分野の第一弾、能勢町吉野での
納戸や牛小屋として使われてきた’らしい)古い古い建物の構造補強を
行う改修工事は木工事に入り、終盤へと近づいてきました。

既存の建物の外回りに新たに設けた基礎・アンカーボルト、既存の柱の原寸位置を胴縁に
写し取り、その情報をもとにして構造材の刻みが行われていきます。

木工事をお願いしたかもう工務店の加羽大工の作業を見学させてもらい、どんな寸法や情報が
あれば刻み作業に活かせるのか、勉強させてもらいました。

大工さん任せではなく、こうした内容でもしっかりと図面指示出来るようならないとです。

現調の打合せの際、金物(コーチスクリュー)の仕様変更が必要となり、モノタロウでは28日の建て方に
間に合わない可能性があったので、よく利用するホームセンターへ向かうも、なかなか見当たらず(汗)

珍しい金物でもなかったので、”ま、あるでしょ”と思い、問い合わせしなかった事に後悔しつつ、
近隣のホームセンターに問い合わせると、伊丹市のコーナンプロに在庫有りとの事。

すぐさま向かい、無事にコーチスクリュー(M12 L210)の段取り完了。
コーチスクリュー自体は大体どこでも在庫あるんですが、L210となると合ったり無かったりの様子。

事務所に戻り、建て方当日の準備をしてから、構造材の刻みを開始している加羽大工の工場へ。
土台・柱・梁・桁だけですが、広げられると結構な量に感じます。到着すると工場内には天然乾燥の
桧材の爽やかな香りが漂っていて、桧の香り好きの私にとってはそれだけで幸せな気持ちになる場面でした。

木の背や腹、節、割れ、反り具合等を加味しながら、それぞれの材の居場所を決める”木配り”
がすでに行われており、桧材が加羽大工による刻みを待ち望んでいるようにも見えました。

わたしが到着した時は、桁の継ぎ手(追っ掛け大栓継ぎ)の加工をしているところ。
墨付けしているところも見たかったんですが、タイミング逃し残念(汗)
それでもどんどんと継ぎ手加工が施されていく様子を見られて、とても勉強になります。

仮組をすると素晴らしいほどにギュウギュウ。さすがです。
仮組をバラしたところで、翌日の作業を考慮して、帰路へ。。。

その時すでに11時前。まだまだやるっていうんだから、本当にタフな大工さんです(笑)

翌日(建て方の前日)は一人で現場に向かい、周囲の片付けや掃除、電気配線の撤去を行い、
入れ替えを行う下屋の柱の撤去と束石設置を実施。

屋根瓦はすでに撤去されていたので、ちょっとくらいでは崩れる事はないと思いつつも、そんなに
経験のある作業じゃないので、ひとり戦々恐々としながらジャッキアップ⇒柱撤去を繰り返しました。

やはり荷重が掛かっていないからか、問題起こる事もなく至って順調に作業完了。束石設置とモルタル
固定も出来、加羽大工の刻みを終えた構造材も昨晩中に搬入出来たので、準備万端で建て方当日を迎える
事が出来そうです。

さー、明日で本当に終わるのか!?何時に終わるのか!?