間取りの再構築≒窓の役割の再構築?
こんにちは。アイシンクの池田です。
3月に入り日中は10度を上回る日が続き、随分と過ごしやすい気候になって
きましたね。花粉症の方にとってはこの気温の上昇が辛いものだと思いますが、、、
午前にちょっと読書タイムを取りまして、、、
昨春くらいだったでしょうか「世界で一番貧しい大統領」として報道されていた
元ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカさんを取材した本を読んでいました。
親しみのある雰囲気とは裏腹にすさまじい人生を歩まれてきた事に驚き、ムヒカさんの言う「貧しさ」
の意味合いには共感する事ばかりで、今持っている自分の感覚を大事にしていいんだなと背中を押さ
れた気分です。
先週に施主さんご家族と珪藻土塗り体験をしてから一週間が経ち、現場監理に向かいました。
壁・天井仕上げの珪藻土左官塗りが無事に完了。
まだ数日しか経っていないので、乾き切ってはいないものの、色合いはこれくらいで落ち着くでしょう。
珪藻土の骨材による細かな凹凸によって、壁・天井に充陽射しが柔らかく拡散され、明るい色合いと
なっても落ち着いた空間という印象です。
白い壁・天井面と木部とのコントラスト差が大きくなり、窓枠や造作部が空間のアクセントになっていく
わけでして、この割合が個人的は結構大事。白い壁・天井と茶系の木部との面積のバランスで、住まいの
雰囲気(風合いとも言いますか)が変わりますので、このバランスを重視して3Dパースの作成&検討を
するようにしています。
都市部マンションで採光が限られていた事、また、空間を間仕切る木製建具(障子・格子戸)のインパクト
(存在感)を考慮した結果、今回のお住いは”少し白(壁・天助面)を大きく”っという感覚。
洗面脱衣室もLDKと同じ珪藻土で仕上げてもらっています。元洋室だった場所の腰窓を取り込む事で陽射しが入り、清潔感のある空間となるように計画しました。
マンション住戸の洗面脱衣室と言うと、無窓空間となっている事も多いですが、、、可能な限り、窓のある若しくは陽射しを感じられる水回りとなるように意識してプランしています。陽射しの入る水回りって、、、マンションだと特に、、、贅沢に感じるんですよね。
また、窓からの冷え込みを抑える為に、既製窓の室内側には樹脂製の窓を新たに設けて、熱の損失及び結露の発生を防止します。
内窓のガラスは透過しにくい”型ガラス”とし、ブラインドを設置する事で外部からの目線も気にせずに生活出来るように配慮しています。
玄関土間もきれいに明るく仕上がっています。
物件の採寸&調査時に気になったのが、北側玄関の暗さ。以前の間取りでは、廊下がかなり閉鎖的なつくりになっていた事もありますが、玄関ドアを閉めると、昼間でも本当に暗く、、、リノベーション時の改善ポイントの一つだなと思っていました。
とはいえ、新たに窓をつくる事は出来ませんので、間取りの工夫が必要になるわけですが、、、今回のお住いでは玄関土間を東側に広げる事で元洋室の腰窓を玄関に取り込み、陽射しが入る空間となるように計画しています。
玄関土間からはLDKと先面脱衣室へ繋がる二つの動線も設けており、陽射しの取り込み、収納に加えホールの役割も担う多目的な空間となっています。
就寝スペース(防音ルーム)兼子どもスペースも壁・天井丁寧に仕上げてくれています。
施主さんが待ち焦がれていた格子戸も入っています。鴨居上は壁をつくらずに抜けさせる事で、視覚的
な広がりが感じられればなーという思いです。
格子戸は左側に見えている障子と同サイズとし、家族構成の変化に合わせて、障子⇔格子戸との入替え
が出来るように割付・製作してもらっています。
少し視線を切りたい時(家族の就寝スペースとして利用)は格子戸。
視線をしっかりと切りたい時(子ども室として利用)は障子。
声は聞こえますが、気配は伝わりますが、障子にして視線を遮るだけでも結構プライバシーの保たれた
空間になります。都市部の面積が限られた住戸ではこうした取り組みもリノベ時の大事なポイントかなと。
三脚なかったので全く同じ視点ではありませんが、、、上の画像とほぼおなじ位置から建具開時の様子。
格子戸は壁の中に収納され、障子は玄関側に引き溜める設計になっていますので、建具すべてを開ける
と物件タイトル通りに”ワンルーム”空間のような間取りに変わります。
その際(ワンルーム空間)に意識しているのが、住戸の端と端。南と北、つまり明と暗。
住戸内での明度差と斜めに抜ける視線を工夫する事で、奥行きや広がりを感じられるようになればな
っというところもリノベーションプラン時に考慮する事の一つです。
地味ですが、、、ジワジワ効いてくる。そんな感じですかね(・_・;)
このお住いですが、施主さんにご承諾を頂き、完成見学会を開催させて頂く事になりました。
3月19日(日) 午後1時~午後5時までオープンしています。
木の住まいは郊外の戸建てだけが選択肢ではありません。
都市部マンションでも無垢材・自然素材をふんだん使い、温もりのある木の家で暮らす事が出来ます。
お忙しい時期ではありますが、ご興味ございましたらぜひぜひお越しくださいませ。
見学会の詳細・お申込みは下記ページをご覧くださいませ。
https://ii-think.com/archives/category/abenoku-tn