格子間仕切りの視線の抜けと目隠しのバランス

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こんにちは。アイシンク建築設計事務所の池田です。

年明けからあっ、、、、、、、と言う間の1ヶ月。
今日から2月に突入です。今年は28日までなので、更に短く感じるんでしょうかね(*_*)

事務所のある兵庫県猪名川町は、まだまだ気温が低いですが、庭木に目をやると、梅のツボミ
が大きく膨らんでおり、一足早い花見を楽しみ事が出来そうです。

例年たくさんの梅の実がつき、手が届く範囲で採っていましたが、今年は一つ足りとも無駄に
しないよう落下ネットを張り巡らせておきたいなと思います。

さて、少しブログが遅くなってしまったのですが、先週の日曜に大阪市阿倍野で進む、木の
マンションリノベーションの現場監理へ行ってきました。

普段は現場監督さんや大工さんがいる時に向かうのですが、たまーに誰もいない現場でじっくり
と現場を見るようにしています。

監督さんや大工さんと打合せをしながら、質疑に応答しながら現場を見れば、その場で物事が
決まってスピーディで良いのですが、熟考出来ない場面もあるので、こうした時間も大事にかな
と思っています。

壁や天井の下地、造作の無い箇所はボード張りも終えられ、今は窓枠や建具枠などの造作が進められ
少しずつ住まいらしさが漂うになっています。その現場と施工図を照らし合わせながら、ぐるぐると
何度も歩き回り、気になる箇所をメモしたりしていきます。

多目的に使える170cm長の洗面・家事カウンター

高い建物が迫っておらず、陽射しが入りやすい洗面脱衣室は、既存の窓と洗面&家事カウンター
と絡めて計画する事で、有効に使えるように計画しました。

脱衣室も兼ねる空間に窓はちょっと、、、

っと思われるかもしれませんが、内窓のガラスには視線を遮る型ガラス+ブラインドを設けるので
大きな問題ではないかなと思います。それよりも!洗面空間に直接、お日さまの陽射しが入ると
本当に気持ちが良い。明るく清潔感のある水回りにもなるので、マンション住戸であっても出来る
だけ窓、陽射しが入るように配慮しています。

同じく洗面脱衣室。
洗面&家事カウンターで作業している様子を撮ってみました。縦にも横にも大きめのモデルさん
なので、施主さんが座った場合はもっとゆとりがあると思います(笑)

長さ170cmほどのタモ材のカウンターを設け、半分が洗面、もう半分の窓面する部分を
家事専用のワークスペースとして使ってもらえるように計画しています。
(LDKには家族みんなで使うワークカウンターを設けます)
カウンター上にコンセントも取っているので、アイロン掛け、衣服の折り畳などいろいろな使い
方出来るんじゃないかなと思います。

格子仕切りで”視線の抜け”と”目隠し”のバランスを調整

さて、そろそろブログのタイトルにもなっている格子間仕切りにも触れていきます。

今回のマンションリノベーションは、施主さんのご要望でもある”大きく使えるお家”をコンセプト
にして設計を進めました。とはいえ、ずーっと大きく、ワンルームのままでは困る時もあるので、
引込み戸や引き戸を間取りの構成に用いながら、”大きくも小さくも使えるお家”をご提案しました。

少し言葉を変えると、”大きくも小さくも感じられるお家”とも言えるかなと思います。
とはいえ、面積は変えられないのであくまでも視覚などの人の感覚でのお話。

空間を大きく感じるには壁や天井の連続性、視線の抜けが大事になってくると思います。
その逆で空間を小さく感じるには、視線の遮断が大事になります。
で、この要素を上手く、いい塩梅に調整出来るのが、格子での間仕切りなのかなと。

例えば、この洗面脱衣室に設けた格子は、洗濯機置場との仕切りとしての役割。
壁を立ち上げると閉塞感が出るし、暗がりも出来やすい、、、それを防ぐ為に腰高さまでの仕切り
を立てる事もありますが、今回は洗濯機の目隠しもしたかったので、格子仕切りをご提案。

目隠しとして機能させる為、格子見付け寸法と配置間隔を狭めに設定。
窓枠とラインを揃え、カウンターの中桟(反り止め)とも絡ませる事で、けっして大きくない洗面
脱衣室の空間に馴染むように配慮、、、したつもりです、、、がどうでしょう(・_・;)

LDKと就寝・フリー(防音ユニットが入る)スペースとの間にも格子仕切りを設けています。

格子は2枚引込み戸と3枚引違い戸の”戸当り”としての役割を持たす事で空間に馴染むように
配慮し、将来的にはこの格子を区切りとして、ご夫婦の寝室と子ども部屋に分ける予定です。

洗面脱衣室と異なり、こちらの格子は個室空間との仕切りである為、視線の抜けよりも目隠しと
しての要素を強めに考えました。

建具の戸当と絡ませる事で格子の幅は13cm強(洗面は3cmほど)となり、奥行きが出る分
視線が抜け難くなり、洗面脱衣室の格子仕切りと比べても視線が遮断されているになっています。

また、こちらの格子仕切りは目隠し優先、閉塞感の出ない間仕切り壁というイメージがあったの
で細く軽快に!っというよりも太く存在感を出す!というような感覚で計画してみました、、、
が、どうでしょう、、、そう見えますかね(・_・;)

ま、どう見えるかは施主さんに聞いてみるとして、、、
格子仕切りと言っても、材の寸法、造作との絡め方、格子ピッチ等のバランスを調整する事で
いろいろな使い方、見せ方が出来るもんだなー改めて気付かされました。

古民家などを見ていても、細い格子太い格子、細い感覚荒い感覚、縦格子横格子などなど
場面に合わせていろいろな使い方そしていますもんね。。。
扱いは難しそうですが、上手く使いこなせるように勉強していきたいと思います。

次回の現場監理&お打合せは、施主さん、現場監督さん、大工さんを混じえて賑やかに(笑)
造作キッチン、珪藻土左官塗りのお打合せをする予定ですので、その模様はまたブログにて。