◆概要◆
場所:兵庫県川西市
期間:2023年1月着工~2023年2月竣工
構造:鉄骨構造2階建ての1階部分(約30㎡)の改修
用途:フラワーショップ
設計監理:池田郁夫
写真:城周作
設計コメント:川西市の中心を通る幹線道路沿いにお店を構え、 地域の方から長く
愛されているお花屋さんの全面リニューアルを任せて頂きました。
これまでの雰囲気を一新する事と同時に、お客さまとスタッフさんの動線やスペース
の区分けをして、仕事のしやすい店舗空間づくりを進めていきました。
内外装には、ブラシ加工を施したラフな杉板に少し柔らかな色合いの白い塗装を施した
板材で包む事でシャビーシックな雰囲気のある空間を目指しました。
また、板巾や板厚みを少し変える事で壁面に自然な陰影がつき、 花や植物をより一層引き
立てる空間に仕上がったように思います。全体の雰囲気に合わせて、取り入れた黒皮鉄の
アイアン素材も 柔らかな空間を引き締める良いアクセントになりました。
◆お打ち合わせ中・工事中の様子は こちら↓(バナーをクリック) にまとめていますので、ぜひぜひご覧ください。
- 存在感・圧迫感のあった冷蔵ショーケースを撤去。明るく開放感のある空間に。
- 空間を崩しやすい3つ(事務・収納・トイレ)の要素は、黒皮鉄のインフォメーションと組み合わせる事で馴染むように工夫。
- 建物構造の鉄骨梁が現され、連続感や開放感のある空間に。ラフな素材でインダストリアルな雰囲気が漂う。
- 正形に整える事で、行き止まりの無い、ぐるぐると回れる動線を計画。
- ブラシ加工とマットな白い塗装を施した杉板はほどよくラフな仕上がりに。
- ギャラリースペースからバックヤードを見る。道路側の開口から射し込む太陽光が白い杉板で反射・拡散され、明るく清潔感の店内に。
- ギャラリスペースを正形に整え、壁際・中央に什器を配置し、動きやすい見やすい動線を確保 。
- バックヤードをお客さま入口から奥に配置する事で初めて来店されるお客さまも入りやすく見やすいなるように計画。
- バックヤードからギャラリースペースを見る。同じ杉板を連続させる事で空間に広がりを感じるように。
- ダクトレール+スポットライトを基本とし、所々にペンダント照明を入れて空間のアクセントに。
- 塗料はタカラ塗料のオリジナルカラー・ホワイトクローバーを塗布。温かみのある白色に。
- 白い杉壁に植物の影が映し出され、壁面が装飾の一つに。
- 杉壁板は3cm・6cm・9cm・12cmの巾をランダム張り。杉というシンプルな素材でも非日常的な空間をつくるひと工夫。
- 天井を撤去し上階のスラブデッキを露出。3mを超える開放感のある空間に。
- のっぺりとした印象にならぬよう、杉板の厚みを板幅によって変えて製材にひと手間。
- 道路面からの日差しで白い杉板に陰影が生じ、深みのある背景に。
- 素朴な白い杉板壁はお花や植物の魅力の引き立て役に。
- ギャラリーとバックヤードをしっかりと区切る事で作業に集中しやすい環境に。
- ギャラリースペースの什器はオーナーさんお気に入りのアンティーク家具。白い杉板壁との相性も良く、落ち着いた雰囲気に。
- アレンジメントに合わせた色とりどりの包装紙。お花同様、白杉板との相性も良し。
- ブロンズ色だったアルミサッシをタカラ塗料さんのアイアン風塗料で塗装。重厚感のある建具に。
- 腰窓に引かれるカーテンは刺繍作家さんによる一点物。閉店後もガラス越しに花が咲くという粋な図らい。
- 元化粧品の名残を感じる全面ガラスの外観を再構築。新設したバックヤードと繋がる引込み戸は、外壁面と同化させる事でギャラリースペースへの視認性を強調。
- 計画時の段階から幹線道路からの見え方を意識。世界観を大事にし、入ってみたくなるお店になるように。
- 床まであった縦長の既存窓の内外に窓枠を設け、外観のバランスを検討して腰高の窓再構築。店内の様子がちらっと伺える窓に。
- 外部に設けた引込み戸のハンドルはアイアン素材とし、壁材と同じ用に経年による変化を期待。 アイアンハンドルの製作は修繕工房55さんに依頼。