細かな採寸はプランニングに関係する!?

現在、兵庫県三田市で計画しているマンションリノベーションのプランニング中。

採寸時に感じた”現状の問題点・改善点”、そして先日聞かせてもらった”ご要望”を
頭に入れながら、あーでもないこーでもないっとやっております。

さて、そのプランニングの前に必ず行うのが住戸の”採寸”作業です。

今回は、マンションリノベーションの施工をお願いする予定の工務店さんに協力をお願いして、
住戸の採寸作業を行いました。

ち、ちなみに、、、採寸に使う主な道具は二つ。

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●スケール(メジャー)
慣れると、まるでスケールが生きているかのように扱えます(笑)検定でも出来ないかなと期待しています。
これでドア枠や出っ張り等の細かな寸法も測ります。

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●レーザースケール
赤外線のレーザーが出て、測定面に当たって帰ってくる時間で距離が計測出来る仕組み。
やまびこの”やっほー”が帰ってくるのと同じような感じですかね。

この二つの道具を使って、壁と壁、壁と枠、床と天井、床と梁下等の各寸法を測っていきます。
測った寸法は、計測箇所も映るようにして、カメラで記憶。

採寸作業としては、これの繰り返し。
とっても、とーーーーーーーっても地味な作業です(笑)
が、計測漏れのないように集中しなきゃいけませんし、把握しておきたい寸法・部分というのが
ありまして、そこは経験も必要かなと思います。

で、そのカメラ(採寸)データを基にして、現況図という図面を作成します。

また、”採寸”と一口に言っても、壁の位置・天井の高さを測るだけではなく、計りながらも
住戸の仕様(遮音・断熱)の問題点・改善点、ポテンシャル等も把握していくようにしています。

例えば、この三田市のマンション住戸ですと、、、

□仕様
  • 床遮音材:床下地用ポリスチレンフォーム t≒80ミリの上、合板フローリングt=12ミリ
    ※和室の畳をあげて、床下の仕様を確認。和室のみポリスチレンフォームは40ミリ程度
  • 壁断熱材:RC躯体面にスタイロフォーム t=40ミリを接着
  • 天井面 :RC躯体面に直仕上げ(北側のみ天井面折り返し90cmに断熱材接着貼り)

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□問題点・改善点
  • 南北が廊下で仕切られている為、南北の居室の環境差(明るさ等)が大きい。
  • 南北が廊下で仕切られている為、風の抜けが悪い。
  • 部屋数を稼ぐ為、細かく区切られており使いづらい。
  • 廊下・ホールがやたらと大きい(車イス等、介護を意識?)
  • ポーチがないので、倉庫・土間スペース的な要素が不足。
  • 洗濯機スペースと一体となったキッチンの北側壁面でカビが発生。
    ※バルコニーから距離があり、ここで物干しをしていた可能性
    ※背中がポーチの凹み部なので、風が当たり熱を奪われやすい(冷えやすい)可能性

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□ポテンシャル
  • 中住戸であるが、南北に開口部が計6箇所あり、採光・通風を得やすい。
  • 階高が高め。立体的な使い方。
  • 大空間が取りやすい。ワンルーム的な間取り。

施主さんのご要望はもちろんの事、採寸時に感じたこうした要素もマンションリフォーム・
リノベーションのプランニングを進める際の重要なキーワードになってくると思います。

ちなみに、わたしたちの行う”採寸”っという作業を分解すると、いくつかに分かれています。

  1. 住戸内の採寸(壁の位置、天井の高さ)
  2. 既存設備等の確認(感知器・給湯器配管・インターホン)
  3. 竣工図(マンション新築時の工事図面)の確認
  4. 詳細部分(壁断熱・床遮音、排水・換気の経路)の確認

これをまとめて”採寸”と表現している感じです。
物件で多少の差はありますが、この4つの作業でおおよそ2~3時間ほど掛ります。

そう、結構掛ります。結構掛かるので、不信に思われるときもあります(笑)

しかし、不動産屋さん、管理会社さん、売主さんに気を遣う事も多いですが、出来るだけ正確に
測っておくからこそ、新しい動線や通風が取れたり、水回りの設備を移動出来たりと、リノベーション
プラン二ングの可能性や幅が拡げられると思っています。

そして、住戸のポテンシャルを引き出し、小さな空間で大きく暮らせる。そんな魅力的なプラン・暮らし
をご提案出来るように心がけています。

とはいえ、、、分からない部分が出てくる事もありますが、ご要望に対して、出来るだけ
”分からないから出来ません”っとならないよう、今後も正確な”採寸”に努めたいと思います。